日経平均は最高値更新中だが、物価は上がり、実質賃金は減少し続けている。ただ節約するのも、頑張って働き続けるのも限界だ。そんな中、「『金持ち父さん 貧乏父さん』以来の衝撃のお金の戦術書」と絶賛されているのが『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』(ニック・マジューリ著)である。そしてついに、全世界待望の続編『THE WEALTH LADDER 富の階段──資産レベルが上がり続けるシンプルな戦略』が日本上陸。この世界的ベストセラーはお金の「戦略書」だ。スコット・ギャロウェイ(ベストセラー『一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』著者)も絶賛する最新刊についてライターの照宮遼子氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)
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「頑張っているのに評価されない」と嘆く前に
毎日遅刻せずに出社し、与えられた仕事をきちんとこなす。
上司の指示には従い、特に文句を言うこともない。
もちろん、大きなミスもしていない。
なのに、昇給もなければ昇進の話もない。
「もっと頑張らなきゃいけないのかな」と思っても、
これ以上、何をどう頑張ればいいのかわからない。
結局、今までと同じように淡々と仕事をこなす日々が続き、
気づけば、転職サイトを眺めるのが日課になっていた。
そんな日々を送っている人は、決して少なくない。
たしかに、「自分は頑張っている」という感覚自体は間違っていない。
けれど、本当に大事なことは「何に」努力を向けているかということ。
努力の方向性が間違っていれば、どれだけ真面目に働いても、報われることはないのだ。
世界的ベストセラーの教え
世界14か国以上で翻訳されている世界的ベストセラー『THE WEALTH LADDER 富の階段』の著者ニック・マジューリはこう述べている。
努力は成功を保証するものではない。
それでも、まずは今の職場で努力をしてみるのは悪くない方法だ。
――『THE WEALTH LADDER 富の階段』(P.138)より
多くの人が誤解しているのは、「真面目に働いてさえいればきっと評価される」という幻想だ。
残念ながら、ただ言われたことをこなすだけでは不十分である。
重要なのは、その努力が市場価値のあるスキルを高めているかどうか。
市場価値のあるスキルとは、誰かがお金を払ってくれるスキルのこと。
言い換えれば、需要のあるスキルである。
「頑張っているのに給料が上がらない人」の
「第1位」とは?
頑張っているのに給料が上がらない人の第2位は、「与えられた仕事だけをこなす人」だ。
そして、ざんねんすぎる第1位は「すぐに環境を変えようとする人」だ。
「この職場では評価されない」と感じた瞬間、転職を考える。
確かに、報われない環境で消耗し続ける必要はない。
でも、環境を変える前に確認すべきことがある。
それは、今の場所で本当に全力を尽くしたかということだ。
誰でもできる単純作業を繰り返して、ただ時間を費やしているだけでは、市場価値は上がらない。
一方で、同僚より成果を出せるスキルを磨いたり、専門性を深めたりすれば、自然と評価は高まる。
本書を読んで気づいたのは、努力の質と方向性が、収入を左右するということだ。
今の努力が、本当に自分の市場価値を高めているか。
その問いに向き合うことが、収入を上げるための第一歩になる。
環境を変えるのは、その後でも決して遅くはない。
(本稿は、『THE WEALTH LADDER 富の階段』に関する特別投稿です。)










