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子どもを育てていく中で、どうしても迷いや不安は出てきてしまうもの。時には親自身が、自分で自分を追い詰めてしまうことも……。そうならないために、まずは自分を責めてしまう「考え方のクセ」に目を向けてみよう。※本稿は、ハーバード大小児精神科医の内田舞『小児精神科医で3児の母が伝える 子育てで悩んだ時に親が大切にしたいこと』(日経BP)の一部を抜粋・編集したものです。

自分を追い込んでしまう
「考え方のクセ」に注意!

 親自身が自分を余計につらい状況に追い込んでしまう「考え方のクセ」に目を向けてみたいと思います。

 例えば、電車の中で子どもを抱っこしながら立っていた時に、子どもがぐずり始めたとします。目の前で座っていた人が、黙って立ち上がってほかの車両に移動したら、どのように感じるでしょうか。

「席を譲ってくれたんだろう。私に言葉を掛けると遠慮するのではないかと思ったのかな」と、うれしく受け止めるかもしれません。

 逆に「子どもがぐずってうるさいから、ほかの車両に逃げていったのだろう。周りも迷惑に思っているに違いない」と落ち込み、肩身が狭い思いをするかもしれません。

 ここで影響するのが、その人の考え方のクセです。よく、コップに半分水が入っているのを見て、「まだ半分もある」と思う人と、「あと半分しかない」と思う人がいる、といった例も挙げられます。

 また、同じ人でも、暑くて喉が渇いている時には「あと半分しかない」、寒くて冷たい水なんて飲みたくないと思っている時には「まだ半分もある」と受け止めるかもしれません。