ものごとの受け止め方(認知)によって、目の前の出来事の持つ意味が、大きく変わる可能性があるのです。
こうした、ものごとの受け止め方のクセは誰にでもあるものですが、そのクセが私たちにネガティブな影響を与え、自分を苦しめてしまうことがあります。特に子育てでは、こうした「認知のゆがみ」が、母親を苦しめ、自信を奪うことが多いと感じています。
認知のゆがみは、無意識のうちに働いていることが多いので、まずはその正体を知っておくことをお勧めします。精神医学の領域でもよく知られている代表的な認知のゆがみのパターンがあるので、いくつかご紹介しましょう。
完璧主義な人に多い
ゼロヒャク思考とは?
ゼロヒャク思考とは、ものごとを「0か100か」という極論だけで考えてしまうことを指します。完璧主義な人に多く、「失敗したら何もかも意味がない」「一度失敗したらもうおしまいだ」「完璧にできないなら、何もしない方がマシ」などと考えがちになります。
「うちの子だけオムツが外れないのは、私の促し方が下手なせいではないか。こんなことでは母親失格だ」「疲れてイライラしていて、ささいなことで子どもを叱ってしまった。私のような母親に育てられたら、自分に自信が持てない子どもに育ってしまうのではないか」と、極端な結論に至ってしまう傾向があるのです。
ただ、世の中の多くの事象は「少し黒よりのグレー」「白に近い薄いグレー」など、白か黒かはっきりしないことが大半ですし、また、白か黒かはっきりさせる必要のないものもたくさんあります。
また、子育てに限らず、何事も一発勝負で決まるわけではありません。1日の中でささいなことで子どもを叱ってしまった瞬間があっても、子どもが必要なことにじっくり対応した場面もあったでしょう。それを無理に「白・黒」あるいは「良い・悪い」と分けようとすると、「失敗」「意味がないもの」の方が目に付いて、自分にがっかりしたり、自分を責めたりすることが増えてしまいます。







