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AIによる人員削減が進む一方、深刻な「人手不足」を原因とする倒産も過去最多となっています。AIに負けて職を失う人と、人手不足の波に乗り年収を上げる人。この二極化を分ける「決定的な違い」は、AIスキルやリスキリングだけではありません。多くの人が見落としている、キャリアの明暗を分ける“ある視点”とは――。(クライス・アンド・カンパニー代表取締役 丸山貴宏)
AIで人員削減が進む中
人手不足倒産も起こるカオス
AIの普及で人員削減が進む――。そんな見方がますます強まっています。
米アマゾンのアンディ・ジャシーCEOは「AI活用で効率が高まり、今後数年間で管理部門の従業員数が減少する」と発言しました。また、メタのマーク・ザッカーバーグCEOは2025年4月に「12カ月後にはAIが開発の約半分を担うようになるかもしれない」と語っています。
日本ではAIの発達を理由とした人員削減の例はあまり見られませんが、黒字の大手企業で効率化を目的にした人員削減を進める例が見られます。多くの企業で効率化の手段にAI活用が入っているのは言うまでもありません。
日本政府は「経済財政運営と改革の基本方針2025」で、「生成AIが人間の業務を代替することによって、将来的に一部の事務職等の労働需要が減少する可能性がある」ことから、幅広い労働者に対しリスキリング支援に取り組むと明記しています。
一方で、あちこちの業界から「人が足りない」という悲鳴が聞こえてきます。帝国データバンクの調査によると2025年度上半期(4-9月)の人手不足倒産は214件発生し、上半期としては3年連続で過去最多を更新したほか、2025年7月時点で正社員の人手不足を感じている企業の割合は50.8%、非正社員では28.7%です。
AIで人員削減が進むと同時に、他方で人手不足が並行して進む。この矛盾した状況の中で、ビジネスパーソンはどうキャリアを選択し、構築していけばよいのか。このテーマを考えるとき、非常に大切な視点があります。







