職場にも上司にも愚痴ばかり!「いつでも不満たらたらな人」の頭の中はどうなっている?【心理学博士が教える】写真はイメージです Photo:PIXTA

どこの職場にも“とにかく愚痴が多い人”というのがいるものです。あまりにも愚痴ばかり言っているので「あの人に捕まると、しばらく愚痴の聞き役にされてしまう」「愚痴ばかり聞かされるのでストレスが溜まり、こっちのモチベーションまで下がってしまう」などと、周囲から煙たがられるほど。仕事が大変だったり、イヤな思いをしたり、というのは誰でも多かれ少なかれあるはずですが、こういう人は、本当に嫌な目にばかり遭っているのでしょうか?なぜ愚痴が増えるのか、その理由に迫ります。(心理学博士 MP人間科学研所代表 榎本博明)

職場の皆、それぞれにストレスはありそうだが……

 やたらと愚痴が多い人、というのがいます。職場の同僚がまさにそれだという人が、次のようにこぼしていました。

「仕事で大変なことが多いのは分かりますよ。でも、彼はちょっと特殊だと思うんです」

「特殊……ですか。具体的には、どんなふうに特殊なんでしょうか?」

「うちの会社にも、中には上司との相性が悪くて、しょっちゅう理不尽に叱られている同僚がいたり、取引先の担当者から何かと無理難題を吹っ掛けられて困っている同僚がいたりするんです。でも、彼らはそれを嘆いてもサラッとしたもので、そこまで愚痴っぽくはならないんです」

「苦労が多い、ストレスフルな状況に置かれている、そういう人がみんな愚痴っぽくなるわけではないということですね」

「ええ。どう見ても、彼が他の人より特別ストレスフルな状況に置かれてるとは思えないんです」

「なるほど。だから、その方が愚痴っぽいのは、何かその人特有の要因があるのではないか?というわけですね」

「そうです。そう思うんです」

「その謎を解くヒントを探りたいんですけど、その方の愚痴を聞いていて、何か感じることはありませんか」