鈴木氏は、「われわれの研究は、飲酒習慣のある人が禁酒することは血圧の改善に関連するのか、また飲酒習慣のない人が飲酒を始めた場合に血圧に影響があるのかを明らかにすることを目的としていた」と説明している。
飲酒量を減らすと
血圧が低下する
その結果、飲酒量を減らすと血圧が低下することが示された。1日1~2ドリンク(1ドリンク=純アルコール10g)の飲酒をやめた女性では、収縮期血圧が−0.78mmHg、拡張期血圧が−1.14mmHg低下することが示された。
また、同量の飲酒をやめた男性では、収縮期血圧が−1.03mmHg、拡張期血圧が−1.62mmHg低下していた。一方、新たに1ドリンクの飲酒を始めた人では血圧の上昇が見られ(収縮期血圧は0.78mmHg増加、拡張期血圧は0.53mmHg増加)、こうした傾向は男女いずれにおいても確認された。
飲酒に伴う血圧の上昇は、ビール、ワイン、蒸留酒などアルコール飲料の種類にかかわらず認められ、重要なのは摂取量であることも示された。
今回の研究には関与していない米イェール大学医学部教授のHarlan Krumholz氏は、「この結果は、少量であったとしても飲酒をやめることで高血圧の予防や治療につながる可能性があることを示している」とニュースリリースの中で述べている。
同氏はさらに、「このことは血圧の治療目標値が以前よりも低く設定されている現在において特に重要である」と付け加えている。(HealthDay News 2025年10月23日)
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