米連邦取引委員会(FTC)は、株主投票に関する助言業務を通じて反トラスト法(独占禁止法)に違反した可能性があるとして、議決権行使助言会社の米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)とグラス・ルイスを調査している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。投資運用会社は、経営陣の報酬や取締役選任などの株主投票に関する調査、分析、推奨に関してこうした助言企業に依存している。今回の調査はその中でも影響力を持つ2社に圧力をかける新たな動きとなる。関係者によると、調査は初期段階にあり、両社の競争慣行などが調べられている。また気候変動や社会問題に関連する株主提案など、注目される課題に関して顧客をどのように誘導しているかに焦点が当てられている。FTCは9月下旬にグラス・ルイスに書簡を送付し、同社や他の企業が「不公正な競争方法」に関与した可能性について調査していると伝えている。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)ではこの書簡の内容を確認している。