受験の過去問集を思い浮かべてほしい。すべての過去問が白黒で文字が小さく、「いかにもむずかしそう」に見える作りをしている。そんな中、「フルカラーでイラスト満載。三角形の面積の公式からはじめて超難関中学の算数問題を対話形式で解説する」という前代未聞の学習参考書『たった1日で誰でも開成・灘中の算数入試問題が解けちゃう本』が発売された。算数の本でありながら「AIにはできないこと」を裏テーマに作られたこの本の著者はDeNAでAIプロダクトマネージャー兼AIエンジニアとして活躍する菅藤佑太氏。菅藤氏はYouTuberとして4年間で840問もの中学算数入試を解説している。本記事は『たった1日で誰でも開成・灘中の算数入試問題が解けちゃう本』の中から、菅藤氏が「原点にして頂点!」と豪語する東大現役合格率トップクラスの渋谷教育学園渋谷中の問題を解説する。思考力のある人なら5秒で解けるこの問題、あなたは解けますか?

たった1日で誰でも開成・灘中の算数入試問題が解けちゃう本『たった1日で誰でも開成・灘中の算数入試問題が解けちゃう本』より、渋谷教育学園渋谷中学2022年の問題

公式を覚えているだけでは、意味がない

みなさんは、三角形の面積の求め方、知ってますか?

算数から遠ざかっている大人でもこの公式は覚えている人が多いんじゃないでしょうか?

底辺×高さ÷2ですね。

たった1日で誰でも開成・灘中の算数入試問題が解けちゃう本

では、シンプルな三角形の面積を求めるこの問題、解けますか?

たった1日で誰でも開成・灘中の算数入試問題が解けちゃう本

渋谷教育学園渋谷中のこの問題、大人でも意外と解けない人も多いんです。

算数が苦手な人に往々にしてあるんですが、公式に当てはまらなければ投げ出してしまいます。

「底辺の長さも、高さもわからない!」というように。

これ、よく考えたら、ビジネスでも同じですね。

どれだけ知識があっても、たとえば、MBAをとって、いろんなビジネスのケーススタディを知っていたとしても、実際にビジネスの現場で問題解決ができるかどうかは別ですよね。

もちろん、知識は大事ですが、知識があるだけで終わるのか、その知識を使ってどのように考えるか、つまり思考力が大事になってくるわけです。

特に有名中学の算数入試問題の中でも特に図形問題は、思考力を試す良問がたくさんあるので、中学受験とは関係のない人でもぜひ解いてほしいんです。

さて、上の問題にいきましょうか。

ポイントは、底辺は底じゃない、です。