ギリギリの状態で仕事を続け…
ドクターを雇うには莫大なコストがかかります。そのドクターがうまくやってくれるかという不安もありますし、急に辞められても代わりはすぐに見つかりません。
自分の診察を減らしながら、そのストレスフルな業務をこなさなければならない。しかも、クリニックは2か所あります。
本当はもっと休むべきだったのでしょうが、どうにもならず、なんとかギリギリの状態で仕事を続けました。
病中の「おかしな感覚」と回復後の気づき
なんとか、じわじわと回復に向かい、1年ほど経って、なんとか生きていける状態に戻りました。
うつ病の渦中にいた時も、不安な気持ちがなかったわけではありません。しかし、その時の感覚は、今、元気になってから感じる「嫉妬」や「不安」といったネガティブな感情とは、まったく「次元が違う」ものでした。
あらゆる感覚が、もっと根本的におかしくなっていたのです。
今、それを乗り越えたからこそ言えることかもしれませんが、回復した今、感じるネガティブな気持ち――例えば、「あの人はうまくいっていていいな」と嫉妬したり、「自分の本が売れるといいな」と不安になったりする感情は、とても「正常なネガティブな気持ち」だと感じます。
「正常に悩める」ことのありがたさ
ネガティブな気持ちや嫉妬の感情をちゃんと抱けるのは、心に「余裕」があるからこそできることなのです。本当に大変な時、つらい時は、そういう次元のことすら考えられませんでした。
だからこそ、ネガティブな気持ちを抱ける今の状態は「贅沢のひとつだ」というのが、冒頭のポストの真意でした。
もちろん、ポジティブな気持ちでいられるほうがいいに決まっています。ですが、私たちはネガティブな気持ちになったり、悩んだりします。でも、「ちゃんと悩める」ということは、それ自体がとても素敵なことなのだと思います。
「ありがたいな」という感覚
それは、脳みそが正常に動き、自分が「人間」として、主体的に生きている証拠です。心がバグったり、壊れたりしていないからこそ、できることなのです。
だから、そうした感覚を大事にし、「ありがたいな」という感覚を持っておこうと思いました。
そうすれば、きっと人生で起きるいろいろなことに感謝できるようになるはずですし、それは決して悪いことではないと思うのです。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。








