若い人が悩みがないように見える理由

「若い頃はよかった」と振り返ることもあるでしょう。確かに若い人は、あまり人生を俯瞰したり、振り返ったりしません。それは、「今やるべきこと」に追われて必死だからです。

勉強、就職、まだ何者でもない自分への焦り……。成功体験が少ない分、とにかく動かなければならず、「今を生きるのに精一杯」な状態です。

逆に言えば、年齢を重ねていきいきと暮らせなくなるのは、環境が厳しくなったからではなく、「夢中になって今をやる」という時間が減ってしまったからなのです。

時間ができると、つい余計なことを考えてしまいます。

健康は大丈夫か(未来の不安)
親の介護はどうしよう(未来の不安)
あの時こうしていれば(過去の後悔)

これらはすべて、「今」のことではありません。

今日1日のことだけを考えればいい

結局のところ、年齢の問題ではなく、「今のことを見ていない」という問題に尽きます。私たちにできるのは、「今日1日をどう過ごすか」ということだけです。未来のことは、いくら考えてもどうなるかわかりません。「なるようになるさ(ケセラセラ)」の精神でいくしかありません。

過去のことも、今さら変えられません。今日起きたことに対処し、今日やるべきことを淡々とやる。そうやって「今」に集中していれば、不安や後悔に入り込む隙間がなくなり、結果として楽しく、いきいきと過ごすことができます。

ぜひ、今日1日のことだけに集中してみてください。そうすれば、いくつになっても輝けますよ。

私からご提案できるネクストステップ

このお話を踏まえて、今日からすぐに実践できる小さなアクションをご提案します。

「今日これからやる『一つの動作』だけに意識を向けてみませんか?」

例えば、「コーヒーを淹れて飲む間だけは、味と香りに全集中する」「お皿を洗う時だけは、水の温度と感触だけに集中する」。

未来の不安や過去の後悔が頭をよぎったら、「おっと、今はこれをやる時間だった」と意識を「今」に戻す練習をしてみてください。これだけで、心の「お暇」がなくなり、気持ちが少し軽くなるはずです。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。