「漠然とした不安」と「災害時の不安」の違い
誰にでも、悩みや不安は尽きないもの。とくに寝る前、ふと嫌な出来事を思い出して眠れなくなることはありませんか。そんなときに心の支えになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で元気が湧き出る言葉』(ダイヤモンド社)など、累計33万部を突破した人気シリーズの原点、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)です。ゲイであることのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症――深い苦しみを経てたどり着いた、自分らしさに裏打ちされた説得力ある言葉の数々。心が沈んだとき、そっと寄り添い、優しい言葉で気持ちを軽くしてくれる“言葉の精神安定剤”。読めばスッと気分が晴れ、今日一日を少しラクに過ごせるはずです。

【精神科医が教える】災害が発生したとき…心の不安を取り除くたった1つの解決策Photo: Adobe Stock

災害時における「不安」との
向き合い方と具体的な対処法

今日は私たちが災害時に抱く「不安」にどう対処していけばよいのかについてお話しします。

日本は地震が頻発する国です。大きな地震が発生する前後には、しばらく余震が続くこともあり、不安が募りがちです。

そのような状況になれば、決して「安心してください」と言える状況ではなくなります。かといって過剰に恐れすぎるのも良くありません。すぐに避難をする状況ではなくても、リスクが高まっている現状を冷静に受け止める必要があります。

「漠然とした不安」と「災害時の不安」の違い

私はよく、人生に対する不安や、日々の些細な心配事が膨らんでしまうような「漠然とした不安」への対処法をお話ししています。そこでは「今に集中すること」や「考えすぎないこと」が有効です。

しかし、災害時の不安は別物です。実際に危機が迫っている時、私たちの心身は敏感に危険を察知します。ですから、落ち着かなくなったり、眠れなくなったりするのは、当たり前の反応なのです。

こういった状況では、単に「不安から目を逸らす」といった平時の対処法は役立ちません。

不安を行動に変える
具体的な対策こそが特効薬

では、どうすればよいのでしょうか。最も有効なのは、「ある程度の対策をして、これなら何とかなるだろう」という納得感を得るようにすることです。

具体的には、以下のような行動で物理的にリスクを減らし、心の安定を図ります。

寝室の安全確保:本棚や固定されていない家具がある部屋では寝ない、あるいは1階よりも2階で寝る
非常用持ち出し袋の準備:「これさえ持って逃げれば大丈夫」というセットを枕元に用意しておく
家族との共有:いざという時の集合場所や連絡手段を確認し合う

「何も対策せずにいる」のは心配ですし、逆に「心配しすぎてパニックになる」のも良くありません。

大切なのは、「これ以上は対策しようがない」というラインまで行動し、自分を納得させることです。その準備が完了して初めて、不安のレベルを下げることができるのです。

「ここまでやった」という納得感を持つ

もし可能であれば、一時的に安全な場所へ身を寄せるのも一つの手です。例えば、「実家のおばあちゃんの家のほうが安全そうだ」と思えば、1週間ほど生活拠点を移してみる。気象庁が事前避難を促していなくても、心身の安心のために必要だと判断すれば、それは立派な選択肢です。

行動することで不安は下がります。特に重要なのは「睡眠」です。不安で眠れない状態が続くと心身ともに消耗してしまいます。「今晩もし地震が起きても、この準備があるから大丈夫」と思える環境をつくり、心身を休めることを最優先にしてください。

情報の取捨選択と心の守り方

最後に、情報との付き合い方についてです。災害時は情報収集が不可欠ですが、テレビなどの受動的なメディアはずっとつけっぱなしにしないようにしましょう。

自分が聞きたくないタイミングでも不安なニュースや映像が飛び込んでくると、精神的な負担になりがちです。ネットニュースのように「自分でとりに行く情報」に留めるか、気分が悪くなってきたら一度テレビなどの受動的な情報ソースを遮断する勇気を持ってください。

「リスクを見据えて準備をして、その上で今に集中する」というのが、災害時における最も現実的で、心の健康を守るための対処法です。まずは今日、安心して眠れる環境を整えるところから始めてみてください。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。