仕事をするうえで最も大切にすべきスキルは何か――。いざ、そう聞かれると困ってしまう人が多いかもしれない。特に若いビジネスパーソンは答えに窮してしまうことが多いだろう。そこで当連載ではその答えを探すため、いま注目の経営者(社長)たちにその質問をあえてぶつけてみようと思う。数々の苦難を乗り越え、成功を手にした者だからこそ語れる「仕事の極意」がきっとあるはず。成果を生み出すために本当に必要なものは何なのか、(テーマを絞るため下記の8つのスキルの中から選んでもらい)じっくり語ってもらいたいと思う。

1)情報収集 2)コミュニケーション 3)整理術 4)アイデア・発想 5)ドキュメンテーション(表現力) 6)人脈づくり 7)行動管理 8)モチベーション

 彼らの言葉は、多くのビジネスパーソンにとって貴重なメッセージとなると思う。いまの自分よりも一歩上を目指したいと思っている人たちにぜひ読んで欲しい。


 当連載にご登場いただく3人目は、株式会社一休 森正文 社長。同社が運営する、高級ホテル・旅館の宿泊予約サイト「一休.com」を利用したことのある方も多いだろう。取扱ホテル・旅館の数は1000施設以上、会員数は約165万人(08年6月末)を突破している。さらにはJR東日本をはじめとする大手企業との提携も次々と進めており、業績は絶好調だ。しかし、創業当初は森社長自らが提携先の開拓に奔走したという。いまや数多くの企業との提携に成功している理由の1つに、森社長独特の『人脈づくり』があるようだ。そこで今回から2回にわたり、森社長の『人脈づくり』の極意に迫りたいと思う。

■ 社長ファイルNo.3 ■

株式会社一休 代表取締役社長 森正文 氏

■ 森社長が選んだ「仕事の極意」(スキル)は・・・ ■

人脈づくり

森正文
森正文(株式会社一休 代表取締役社長)
1962年、東京都生まれ。1986年上智大法学部卒業後、日本生命に入社。資産配分の企画立案部門を経て、2年間リーマン・ブラザーズ投資顧問(ニューヨーク)に派遣。帰国後、融資・審査部門に。98年、日本生命を退社。同年7月株式会社プライムリンク(現・株式会社一休)を設立し、代表取締役社長に就任。2000年に立ち上げた高級ホテル・高級旅館宿泊予約サイト「一休.com」は、会員数約165万人(08年6月末現在)にまで成長。2007年2月には東証一部上場を果たしている。


高城 今回、森社長にはご自身の実体験に基づいた「人脈づくり」の考え方についてお話をお伺いしたいのですが。まず、起業する前の会社員時代はどんな感じだったのか教えてください。

 大学を卒業した1986年に、日本生命に就職しました。ここを選んだ理由は、社風がそれほどアグレッシブではなくて、給料が高かったから。リクルートや三菱商事、野村證券なども少し考えましたが、ガシガシ自分を追い立てる仕事は性に合っていないなと考えた結果です。

 日本生命に入社してみたら、やはり優秀な人が多かったですね。でも、厭味な人はほとんどいない。金融機関でしたので勉強やテストには追われましたが、残業代が出ないこともあり、いつもさっさとかたづけて、できるだけ早く帰るようにしていました。で、よく合コンとかしていたんですよ(笑)。