仕事をするうえで最も大切にすべきスキルは何か――。いざ、そう聞かれると困ってしまう人が多いかもしれない。特に若いビジネスパーソンは答えに窮してしまうことが多いだろう。そこで当連載ではその答えを探すため、いま注目の経営者(社長)たちにその質問をあえてぶつけてみようと思う。数々の苦難を乗り越え、成功を手にした者だからこそ語れる「仕事の極意」がきっとあるはず。成果を生み出すために本当に必要なものは何なのか、(テーマを絞るため、原則として下記の8つのスキルの中から選んでもらい)じっくり語ってもらいたいと思う。

1)情報収集 2)コミュニケーション 3)整理術 4)アイデア・発想 5)ドキュメンテーション(表現力) 6)人脈づくり 7)行動管理 8)モチベーション

 彼らの言葉は、多くのビジネスパーソンにとって貴重なメッセージとなると思う。いまの自分よりも一歩上を目指したいと思っている人たちにぜひ読んで欲しい。

 当連載にご登場いただく9人目は、ネットイヤーグループ株式会社 石黒不二代 社長。インターネット技術を活用したマーケティング支援や、新規事業開発を行なっているネットイヤーグループ。企業にとってウェブブランディングが重要となっているいま、国内外を代表する大企業をクライアントとし、ネットビジネスの最前線をリードしている。

 同社を率いる石黒氏は、いま最も注目されている女性経営者の1人。女性総合職の先駆けとして社会人生活をスタートし、34歳のときには2歳の子を連れて米国留学。MBA取得後、シリコンバレーで起業。そして、MBOを果たした同社ととともに帰国――といったように、バラエティに富んだキャリアを持っている。

 子育てと仕事の両立など、働く女性に立ちはだかる問題も、いとも平然と乗り越えてきたようにさえ見える彼女。そのバイタリティあふれる行動力は、いったいどこからきているのだろうか? 今回から2回に渡り、その源泉を見ていこう。

■ 社長ファイルNo.9 ■

ネットイヤーグループ株式会社
代表取締役社長 兼 CEO 石黒不二代 氏

■ 石黒社長が選んだ「仕事の極意」(スキル)は・・・ ■

コミュニケーション/モチベーション

石黒不二代(ネットイヤーグループ株式会社 代表取締役社長 兼 CEO)
名古屋大学経済学部卒。卒業後、ブラザー工業、スワロフスキー・ジャパンを経て、スタンフォード大学に留学。MBAを取得。シリコンバレーにて、コンサルティング会社を起業。1999年に帰国し、ネットイヤーグループに参画。2000年より現職。経済産業省 IT経営戦略会議委員も務める。著書「言われた仕事はやるな!」(朝日新書)、「ゲームオーバー宣言」(ランダムハウス講談社)をはじめ、雑誌・ウェブ等への寄稿も多数。