【解説】集中力の質を高める「物理的なノイズ除去」
シゲルさんの「余計な動作をしない」という徹底した姿勢は、単なる我慢ではなく、判断のノイズを極限まで減らすための戦略と言えます。一瞬の判断が利益を左右するデイトレードにおいて、身体の揺らぎは心の揺らぎに直結しかねません。
私たちも投資に限らず、日ごろの仕事中でも、スマホを遠ざける、姿勢を正して座るなど、物理的なノイズを減らす環境を作ることで、不用意な判断ミスを防ぐことができるはずです。
メンタルを支える「体力の資本化」
「座っているだけ」に見えるトレードが、実は激しいスポーツと同じくらいエネルギーを消費するという点は見逃せません。疲労して頭が回らなくなれば、冷静な損切りや利確ができなくなるからです。
市場が開いていない時間に散歩や運動を取り入れることは、気晴らしではなく、チャート分析と同じくらいリターンを生むための重要な「投資」だと捉えるべきでしょう。
長く勝ち続けるための「意図的なOFF」
最後に重要なのは「無理をしない」という勇気です。長時間の相場に囚われるのではなく、翌日に万全の状態で挑むために、あえて相場から離れて泥のように眠る。
この「戦略的なオンとオフの切り替え」こそが、一時的な利益で終わらせず、厳しい相場の世界で長く生き残る投資家になるための最大の秘訣といえるのではないでしょうか。
※本稿は、『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え 資産18億円を築いた「投資術」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。












