米政府がサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子のことを「パーリア(のけ者)」扱いしていたのは、遠い昔のことではない。当時米大統領だったジョー・バイデン氏は、原油相場や外交に関して皇太子の助けが必要となった途端に、そうした内容の発言について後悔した。バイデン氏とは対照的にドナルド・トランプ大統領は、米国とサウジの2国間関係の重要性について改めて思い出す必要はない。トランプ氏が18日にホワイトハウスで示した皇太子との親密な関係から浮かび上がった問題は、逆方向への行き過ぎによって米側が損をしたのではないかというものだ。トランプ氏は、自動署名機によるバイデン氏のサインの写真を訪米中のムハンマド皇太子に示した後、失礼な質問をした米ABCニュースは放送免許を取り消されるべきだと語った。こうした対応は、民主主義の価値観を広めるものとはとても思えない。皇太子は、今回の訪米で具体的に何を得るべきなのかを知っていた。そして彼は、その多くをサウジに持ち帰るだろう。
【社説】トランプ氏の手腕に疑問符、サウジとのディールで
F35売却の意向に対するサウジ側からの見返りは十分か
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