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米経済の方向性と人工知能(AI)ブームの将来を覆っていた霧が晴れ始めている。
天文学的なハイテク投資への監視の目が強まり、米史上最長の政府機関閉鎖で連邦政府のデータが入手できない期間を経て、ウォール街は今後数カ月の見通しを再構築する2件の報告を待っている。
AIの象徴的存在であるエヌビディアは19日の取引終了後に決算を発表する予定で、市場を押し上げ経済を支えてきたハイテクブームの要である半導体需要の状況を示すことになる。遅れていた9月の雇用統計は20日朝(日本時間同日午後10時30分)に発表の予定。
4月にドナルド・トランプ大統領の関税提案が株式・債券市場を混乱させて以降で最も大幅な下落局面を経て、この二つの発表は、投資家にとって重要なシグナルを提供することになる。
ピーター・ティール氏のマクロヘッジファンドなどがエヌビディア株を売却し、同社の株価下落が株価指数を押し下げた。この動揺は他のAI銘柄だけでなく暗号資産(仮想通貨)や金などにも波及した。ウォーレン・バフェット氏によるアルファベット株取得でさえ、下落を食い止めることはできなかった。
バリュエーションの高い米国の株式市場は、何年にもわたる上昇局面の間に何度も同様の調整を経験してきた。いずれの場合も、安値拾いの投資家が株を買い集め、ハイテク大手が利益を押し上げ、経済は前進を続けた。
「これほど霧が深く透明性が欠如している状況では、投資家にとって最も簡単なのは様子見に回ることだ」と、ネーションワイドのチーフマーケットストラテジストのマーク・ハケット氏は述べた。「こうした感情とボラティリティーが生まれるのは、投資家が全てを理解しているからではなく、理解していないからだ」とした。







