law of large numbers:
大数の法則

エヌビディアが直面する最大の問題、巨大化し過ぎて驚異的成長はもう無理?

 米国の上場企業による決算発表は3カ月ごとにやって来る。注目度で群を抜いているのは「AI(人工知能)の王者」と呼ばれる米半導体大手エヌビディアの決算だ。

 株式市場全体の行方を左右するほど影響が大きいからにほかならない。エヌビディアは10月下旬に株式時価総額で「5兆ドル(約760兆円)企業」に一番乗りしている。

 第3四半期(8~10月)の決算発表は11月19日に予定されている。多くのアナリストが「第2四半期と同様に驚異的成長(explosive growth)が続く」とみている。

 しかし、である。投資家の間では「大数の法則(law of large numbers)」を巡る議論が活発だ。エヌビディアは大数の法則にあらがえなくなり、近い将来に壁に突き当たる――こんな見方が出ているのだ。

 第2四半期の決算発表直後に米「フォーチュン」誌が掲載した記事が象徴的だ。ずばり「エヌビディアが直面する最大の問題は大数の法則(Nvidia is facing its biggest challenge yet: The law of large numbers)」という見出しを掲げていた。

 大数の法則とは、確率論・統計学に関する定理の話ではなく、巨大企業の成長に適用される法則の話だ。米金融情報サイト「インベストペディア」は次のように定義する。