あなたがチャートを見つめているその瞬間、プロは何を考えているのか? 『株トレ──世界一楽しい「一問一答」株の教科書』は、その思考をクイズ形式で体感できる一冊です。発売以来、投資初心者からベテランまで、熱烈な支持を集めています。著者は、日本株のファンドマネジャーとして2000億円超を運用してきた楽天証券の窪田真之さん。この記事では、編集担当の視点から、本書に登場する「勝てるチャートの読み方」を紹介します。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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移動平均線を利用したトレードの方法
「株価が上がりやすい銘柄」と「上がりにくい銘柄」。その分岐点を見極めるうえで有効なのが、移動平均線です。
特に『株トレ』では、13週移動平均線と26週移動平均線を用いたトレードの手法を紹介しています。
これらの移動平均線は、「中長期的な企業の価値変化」を表します。移動平均線の右肩上がりが続いていれば、企業価値は上昇傾向にあり、反対に下向きが続けば、業況が悪化している可能性が高いと考えられます。
これに加えて、窪田さんが繰り返し強調するのは、「トレンドに逆らわない」というトレードの鉄則です。
損切り・利確を問わず、下落トレンドが続く株は一度手放し、上昇が期待できる銘柄へ乗り換えることが重要です。これこそが、チャートを活用したトレードで成果を出すための重要な考え方です。
チャートを見てみよう
では、実際に『株トレ』に掲載されているチャートを見てみましょう。
このチャートを見て、あなたならどんな行動を取るでしょうか?
売り? 買い? それとも様子を見る?

移動平均線を見ると…
移動平均線は、10カ月前に勢いよく上昇したものの、現在は横ばいです。
さらに、13週移動平均線が26週移動平均線を上から下へ抜ける、いわゆる「デッドクロス」も発生しています。
移動平均線は、株価上昇の勢いがすでに弱くなっていることを示唆しています。
「売買高増加を伴う急落」が意味するのは?
そして、もう一つ見逃せないのが、「売買高の変化」です。
直近の急落局面では、売買高が増加しています。
これにより、「何らかの悪材料が出て、投資家たちが、急いで売っている」という状況が想定されます。
窪田さんは、今後、他の投資家にも売りが広がる可能性が高いので、このようなチャートであれば、迷わず売ったほうがよいと語っています。
・移動平均線は上向きか、下向きか?
・売買高は変化しているか?
この2つの視点を持つだけでも、チャートの見え方がガラッと変わり、売買の判断軸が明確になるのではないでしょうか。


