「部下やメンバーに仕事を任せられるようになった」
「同期より先に出世することができた」
そんな感想が届いているのが、安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』『パーフェクトな意思決定』シリーズ四部作だ。これまで4500社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「数字に強くなれる」「仕組みで解決できる」という思考法を授ける本シリーズは、さまざまな企業・業界・個人から圧倒的な支持を集めている。この連載では、全ビジネスパーソンに必須の「リーダーシップ」のあり方について指南する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)
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「絶対に出世させちゃいけない人」の特徴
どんなに実務能力があっても、「この人を出世させるのは危険だ」と現場で判断されてしまう人がいます。
とくに40歳という節目を迎える頃には、その人の本質や限界が明確になってくるもの。
今回は、「この人を上に立たせてはいけない」と周囲が感じる決定的な特徴を1つ、ご紹介します。
ワースト1:人前で“味方を売る”人
最も出世させてはいけないのは、「部下や同僚を、自分の保身のために差し出す人」です。
具体的には、上司から指摘を受けたときにこう言う人がいます。
「いえ、私は反対したんですけど、◯◯さんがやりたいというので…」
「これは私ではなく、現場の判断でして…」
こうした「責任転嫁型」の人は、表面上は仕事ができるように見えても、いざというときに人を裏切ります。
信頼が必要なリーダーのポジションにおいて、これほど致命的な欠点はありません。
部下を持つと、さらにひどくなる
こうした人をリーダーにしてしまうとどうなるか。
まず、部下が安心してチャレンジできなくなります。
「なにかあったら、責任を押し付けられるかもしれない」と思えば、部下はリスクを避けるようになります。
結果、チーム全体が守りに入り、パフォーマンスが低下していくのです。
さらに、メンバー同士が疑心暗鬼になり、チームの雰囲気が悪化します。
ミスやトラブルが起きても本音が出てこないため、問題の本質にたどり着けず、改善されないまま蓄積されていきます。
「部下の矢面」に立てる人
『リーダーの仮面』という本では、次のように書きました。
部下のミスも、自分のマネジメントが至らなかったと考えるべきなのです。
――『リーダーの仮面』より
責任から逃げる人にリーダーは務まりません。
逆に、自分の言葉と行動に責任を持ち、部下の矢面にも立てる人こそが、真に信頼されるリーダーなのです。
「仮面をかぶれるか」が試されている
リーダーには、自分の感情を優先せず、チームの成果のために「仮面」をかぶる覚悟が求められます。
保身ではなく、矢面に立つ冷静さ。
私情ではなく、判断の一貫性。
それができない人は、いずれ信頼を失い、チームを壊してしまうでしょう。
リーダーは仮面をかぶりましょう。それが、組織を守り、部下を成長させる第一歩です。
(本稿は、『リーダーの仮面』の著者・安藤広大氏が書き下ろしたものです)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業副本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出合い、2013年に独立。多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年足らずで上場を果たし、これまで9年間で約4500社に識学メソッドが導入されている。著書にシリーズ累計178万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』(ダイヤモンド社)がある。『パーフェクトな意思決定』はシリーズ最新刊。










