サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は今週のホワイトハウス訪問で、ドナルド・トランプ米大統領からアラブ世界の誰もが認めるリーダーとして評価された。レッドカーペットでの歓迎、騎馬隊のパレード、ブラックタイでの晩さん会と、近年これほどまでの歓迎を米大統領から受けたアラブ指導者はいない。人権問題で厳しい目にさらされてきた権威主義的指導者としてはなおさらだ。大統領執務室でトランプ氏は、ワシントン・ポスト紙のコラムニスト、ジャマル・カショギ氏殺害を巡る質問に対して皇太子を擁護さえした。米中央情報局(CIA)は皇太子が殺害を指揮したとみている。訪問の最大の成果は、サウジを「主要な非NATO同盟国」に指定し、米国が最新鋭戦闘機F35の売却を約束したことだ。