N-BOX、スペーシア、タントら3強に
割って入ることができるか?

 ルークス=ROOXという車名は、RoomとMaxのからの造語。ネーミングどおり室内のスペース性は申し分ない。フロントドアはほぼ直角に開き、開閉の素早いスライドドアの開口幅と室内長はクラストップというだけあって圧倒的だ。クルマに近づくだけでロックが解除されたり、足の動きでスライドドアを開閉できたり、離れるとロックされたりと、乗り降りに関するすべてがハンズフリー化されたのは便利だ。

 インテリアの質感も素晴らしい。ライバルも頑張っているが、ルークスはさらに上を行っている。Kカーでここまで極めるとは驚いた。見た目のインパクトが強い大画面ディスプレイは視認性に優れ、使い勝手は上々。デジタルでスピードが大きく表示され、その周囲をぐるりと回転するタコメーターはナイスアイデアだ。

 収納スペースはいたるところに設けられていた。カップホルダーは全部でいくつあるのかというほど豊富で驚いた。現行型と同様に助手席の前後スライドが、運転席側から操作できるのも親切である。これは後席の子どもの面倒をみやすいようにという配慮の現れだ。

 安全装備については、既存の機能の向上が図られたほか、Kカー初を謳う機能が追加された。中でも、インテリジェントアラウンドビュー機能に新たに3D機能が設けられた点に注目だ。これによりフード下の隠れた路面やさまざまな角度からの映像を立体的に表示できるようになった。見通しの悪い場所の状況も容易に確認できるのは朗報である。

 これまでルークスはN-BOX、スペーシア、タントら3強に対して販売面でだいぶ水を開けられていた。新たな武器の数々を手に入れた4代目なら、そこに割って入ることが大いに期待できそうだ。

(CAR and DRIVER編集部 報告/岡本幸一郎 写真/横田康志朗)

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