よく学校の先生が説明会で「本校は下り方向ですから通学は楽です」とおっしゃることがあるのですが、実際に乗ってみないことには分かりません。

 例えば中央線。八王子とか立川方面に向かう下り電車も混んでいることがあります。百聞は一見にしかず。通学だけでヘトヘトになっては本末転倒です。お子さんにとって安心安全な通学になるのかを確認するのは親の務めです。

 もっとも、最寄り駅が電車の始発駅の場合は多少、遠くても座って行けますし、電車の中での移動時間を読書や勉強などで有効活用できるというメリットがあります。

――今は新幹線通学の生徒さんも珍しくないですものね。通学時間をクリアしたとして、次に何を考慮すべきでしょうか?

 第1志望校、併願校両方に言えますが、個々の学校の基本的な属性ですね。

1. 共学か別学か
2. 大学附属校か進学校か
3. 宗教校か無宗教校か

 この3点をどう考えるかは結構、大事な要素になります。

 大学や就職した後には男女一緒に活動することが多いかもしれませんが、それまでの間、どういう環境の中に我が子を置いたほうが良いのかは各ご家庭の判断によります。

 特に小6くらいの女の子って共学に憧れを感じたりするものです。でも、共学校の女子のみの大学合格実績を見ると、一部の女子校のほうが医学部や理系への進学率が高いこともあります。共学校でもいないわけではないですが、国公立大学の医学部に合格するのは男子校出身者が多い。良い悪いの問題ではなく、フタを開けるとこうなっているってことです。

 女の子で医学部や難関理系大学を視野に入れているのならば、桜蔭のほうが可能性は上がるという判断で桜蔭を軸にした女子校を選択するご家庭もあります。

 また、体を動かすことが好きな男子が渋渋(渋谷教育学園渋谷)を選ぶと、学校の校地は狭くグラウンドが狭小です。そういう意味では、体育系の行事が盛んな男っぽい学校である開成のほうが向いていると判断する家庭もあるでしょう。