あまりにスクールカラーが違っている場合には、先ほど申し上げたような「この学校はこうで、この学校はこうですよ」というような基本的な情報をお伝えして、実際に学校に行ってみてくださいとお願いすることはよくあります。

 体を動かすのが大好きで、第1志望はその希望を満たす学校なのに、併願校にグラウンドがなかったら「大丈夫かな?」と気になりますよ。

 この場合であれば、都心のビル学校よりは都心とは言えないかもしれないけど、城北のように広いグラウンドを持っている学校のほうが伸び伸びできるんじゃないですか?というようなことをご提案申し上げることはあります。ただ「もう、ここもここも気に入っちゃって!」という場合は、それ以上は何も言いません(笑)。

 結局、各ご家庭の方針になるんですが、それでも受験のプロとして伝えておくべきことは伝えています。例えば、宗教校。特にキリスト教の学校なのかどうかというのは思っているよりも大事な話なんですよ。

 カトリック校の多くはそれほど宗教色は強くないですが、プロテスタント校の一部はかなり宗教教育を重んじています。宗教教育が学校の核となっている。もし、これが嫌いな場合、6年間強制的にやらされ続けるというのは非常にツラい話になるわけです。 

 基本、学校は子どもにとって楽しい場所であるに越したことはないですから。ここならば我が子が楽しめる可能性が高いという環境がいいですよね。

――「我が子が楽しめる環境」を具体的にどのように探していけばいいですか?

 志望校選択にあたっては、申し上げてきたような外形的な学校の属性に対する好みが、まず出てくると思うんです。それで、ある程度はふるいにかけられます。そして、もっと重要な点は我が子が何を望んでいるのかということをきちんと把握することです。

 中学に入ったらスポーツをやりたい、音楽をやりたい、理科をやりたい、英語をやりたい。そういう興味関心があるのならば、その施設の有無は大事。子どもがやってみたい!と思う中で、完璧である必要はないですが、ある程度の希望はかなえてあげられる学校を選ぶほうが学校生活は楽しくなります。