逆にこれからの時代には男女共学が自然だと思う家庭もある。これはもう各家庭の教育方針の問題です。しかし、これが非常に重要なファクターであるのも、また事実なのです。

 もう1つは併設大学があるかないか。まずは内部進学率を見てほしいですね。事実上、ほとんどが上に行かずに他大学に進学する学校も少なからずある。

 前回、こだわりがない保護者が多くなっていると言いましたが、逆に言えば、それがマイナスに働く可能性があるのです。

 例えば、1日が、難関大学受験者が多い進学校で、2日にはほとんどが上の大学に進学するような学校を受けるとなると、別にどっちがいい、悪いは全くないんですが、カリキュラムが違うということは知っておいたほうがいいです。

 附属校であっても他大学進学は可能ですが、一般的な学科試験で大学受験を突破しようとするならば、自分で対策して勉強しなければならない。5年間(高2終了時)で高校課程が全部終わって高3は受験対策に充てている進学校と、高3まで時間をかけて高校のカリキュラムを学習する附属校という違いは現実問題、大きいです。

 学歴がすべてじゃないとは言われますが、まだまだ世の中の一部は学歴がベースになっているのもまた事実。現実的には偏差値が高い大学のほうが国からの補助金も多くて、施設も充実していて、さらにOB・OGのネットワークも非常に強いです。

 やっぱりいわゆる名門と言われる大学に行ったほうが、潰しがきく可能性が高いのが現実です。今、イノベーションを起こしている人も、現時点では難関大学出身者が多いですから。しかも、いわゆる名門校出身が多い。もちろん、全員を保証しないのが学歴でもありますが……。 

――サピックスは渋谷教育学園のような「自調自考」(自らの手で調べ、自らの頭で考える)的な方針をお持ちだと思うのですが、ご家庭の受験予定校に異議を唱えるというのか、ご親切にも「このラインナップはいかがなものか?」というアドバイスをなさることがあるんですか?(笑)

 保護者にとって第2志望校や第3志望校は、やはり第1志望校と比べると思い入れが少ない。偏差値だけで決めてしまって、学校にすら行かない方もなかにはいらっしゃる。