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気軽にAIサービスを使う人が増えてきた昨今。しかし、期待したような回答が得られずモヤモヤした経験はないだろうか。ドンピシャの回答をAIから引き出すためのテクニックを解説する。※本稿は、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部学部長の伊藤羊一『壁打ちは最強の思考術である』(飛鳥新社)の一部を抜粋・編集したものです。
「AI壁打ち」で
ハマりがちなワナとは
近ごろでは、ChatGPTやGeminiなどの生成系AIを使って「壁打ち」(編集部注/自分の考えやアイデアを相手に聞いてもらうことで思考を整理する手法)に似たコミュニケーションを試みる人が増えてきました。アイデアを投げかけるとそれなりの答えが返ってくるので、たしかに便利な道具ではあります。
ただし!
AIとの壁打ちには、ハマりやすいワナがあります。これを知らずに使っていると、「なんだか思考が深まらないな……」という結果になりがちです。
まず大前提として、AIは“相手の文脈”を理解してくれません。
あなたの人生や仕事の背景、これまで考えてきた経緯などをすべて理解した上で返してくれるわけではない。だから、ある程度こちらから前提情報をしっかり入力しないと、誰にでもあてはまるような浅い返答になりがちです。
さらに、AIの回答は「問いの精度」に大きく左右されます。つまり、こちらの問いがぼんやりしていると、AIの返答もぼんやりしたものになります。
たとえば、ChatGPTに「会社をよくする方法を教えて」と聞いても、当たり障りのない一般論しか返ってこないでしょう。でも、「社員のエンゲージメントが下がっていて、1on1での壁打ちを強化したいと思っている。過去に実践例があれば教えて」と聞けば、グッと具体的なヒントが得られます。







