会議でも雑談でも1on1でも得られない「壁打ち」の本当の価値とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

思考を整理するテクニックとしてコンサルタントがよく使っている「壁打ち」。しかし、会議や雑談、1on1やブレストとは何が違うのだろうか。“壁打ちの達人”がその効用を最大限に引き出す方法を解説する。※本稿は、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部学部長の伊藤羊一『壁打ちは最強の思考術である』(飛鳥新社)の一部を抜粋・編集したものです。

会議と雑談と1on1と
「壁打ち」は何が違うのか

 壁打ちによって頭の中のモヤモヤが構造化されます。でも、そもそも「壁打ち」って何を指すのか、何をするのか、よく分からない方も多いのではないかと思います。そこで会議や雑談、1on1などと壁打ちの違いをまず確認していきましょう。

 もちろん似ている部分もありますが、明らかな違いがあると僕は感じています。

 まず、会議との違いは、必要とされる「議題」や「資料」の精度、そして結論を求められるかどうかです。

 会議を開くとなると、必ず「○○についての会議」と議題が設定され、その議題に向けて参加者は準備を求められます。会議の目的や主催者のタイプによっては、かなり作り込んだドキュメントやパワポの資料を期待される場合も少なくないでしょう。

 また、「○○についての会議」には必ず、その時間を費やしただけの「成果」が求められます。

 結論や次の展開につなげるアクション、課題を明文化してチームに共有したり、上司に報告したり。会議で話し合われたこと全体の「議事録」作りと提出がマスト、ということもよくありますね。