東京ディズニーのお掃除キャストが幻滅…ゲストが欲しがった「魔法の粉」の正体とは?笠原一郎『ディズニーキャストざわざわ日記』(三五館シンシャ)

「ポップコーンバケットを補充してもらいたいのですが……」

 たしかに落としてしまったポップコーンバケットは無料で補充してもらうことができる。

 キャストは「ピクシーダスト(PIXIE DUST=妖精の粉)」というツール(用紙)を携帯している。この「ピクシーダスト」の用紙にはティンカー・ベルのイラストが書かれていて、ティンカー・ベルの魔法の粉に由来する「ちょっとしたプレゼント」の意味があるらしい。

 キャストは「ピクシーダスト」にリカバリーしたい内容を書いてゲストに渡す。たとえば、ポップコーンを大量にこぼし、キャストがその場を離れられない場合など、「ピクシーダスト」に「ポップコーンキャラメル味、バケットに満タン」などと記入してゲストに渡すのである。ゲストがこの用紙をポップコーン取り扱いワゴンに持参すると「サービスリカバリー*」を受けることができるというわけだ。

 彼女はきっと以前に同じような経験をしてサービスリカバリーを受けていたのであろう。

 気づかいのできるゲストだなと感心していたが、単にポップコーンバケットに補充してほしかっただけ*だったのだ。

 しょげている子どもの気持ちをリカバリーする「妖精の粉」なら、至るところに振りまきたい。

 しかし、こうして向こうから求められると、渡したくなくなってしまう私は、あまのじゃくなのだろうか。

サービスリカバリー
ほかにもアイスクリームを落としたときとか、風船を飛ばしてしまったときなどにも使われる。
補充してほしかっただけ
彼女とは正反対で、落としたポップコーンバケットの補充を提案しても、自分が不注意だったからと辞退するゲストも多かった。