
東京ディズニーリゾートに57歳で入社し、65歳で退職するまで、私がすごした“夢の国”の「ありのまま」をお伝えしよう。楽しいこと、ハッピーなことばかりの仕事などない。それはほかのすべての仕事と同様、ディズニーキャストだってそうなのである。
※本稿は笠原一郎『ディズニーキャストざわざわ日記』(三五館シンシャ、2022年2月1日発行)の一部を抜粋・編集したものです
某月某日 休憩室を観察する
キャストの職種別傾向
ブレイクエリアは従業員用休憩室で、バックステージのところどころにある。場所により多少の違いはあるものの、冷水器、自動販売機(パン、カップ麺、清涼飲料、スナック菓子)や喫煙所などがあり、近くにはレストルーム(トイレ)がある。バックステージには従業員食堂*もあるのだが、ブレイクエリアよりも数が少ない。
従業員食堂はさまざまなコスチュームのキャストで賑わい、またキャラクターを演じていると思われる外国人はラフな私服スタイルでいつも数名の男女の組み合わせで来ていた。
ここでブレイク(20分)やランチ(40分)のひとときをすごす。
私がよく利用していたブレイクエリアは、クリッターカントリーの奥にあるキャスト用通用口を出たところにあった。ここは「スプラッシュ・マウンテン」や「ビーバーブラザーズのカヌー探険」のアトラクションキャストや「ラケッティのラクーンサルーン」のフードサービスキャストたちもよく利用していた。
ブレイクエリアでは、キャストの“職種別傾向”を観察できる。
まず、アトラクションキャストはみんな若い。そして、ゲストをチームプレイでテキパキとさばくのが仕事であるせいか、元気が良く、男女間の仲も良さそうだった。