「気遣いができるつもりの人」が使うNGがフレーズ・1つの特徴

ビジネススキル「良い質問」を40年磨き続けた対話のプロがたどり着いた「なぜ」と聞かない質問術

2025年12月1日 6:05

「『なぜ、そう思うの？』は、絶対にNGです」
「なぜなぜ分析」をはじめに「なぜ？」という問いは“論理的に考える”ための「良い質問」だと考えられている。しかし実は「なぜ？」「どうして？」は、致命的な「解釈のズレ」を生み、噛み合わない会話＝「空中戦」を作り出してしまう元凶、「最悪の質問」なのだ。
「事実と解釈の違い。これに気づけていない人は、まだ確実に“曇りガラス”の中にいます」――。話題の新刊『「良い質問」を40年磨き続けた対話のプロがたどり着いた「なぜ」と聞かない質問術』では、世界・国内の各地で実践・観察を積み重ねてきた著者による「賢い質問の方法」＝事実質問術を紹介している。本書に掲載された衝撃の新事実の中から、今回は「ありがちなNG質問」について紹介する。（構成／ダイヤモンド社・榛村光哲）

Photo: Adobe Stock

気遣いができない人の特徴

一見やさしそうで、気遣いがあるように見えるのに、なぜか会話がぎこちなくなる人がいます。

その原因の多くは「質問の仕方」にあります。特にやりがちなのが、次の一言です。

・「最近どう？」
・「仕事どう？」
・「週末どうだった？」

一見、相手を気にかけているように聞こえますが、実はこれは「気遣いができるつもりの人」が無意識に使ってしまうNGフレーズの典型です。

気遣っているようで、実は相手に負担をかけている

「どう？」という聞き方には、2つの問題があります。

①何を答えればいいのか、相手に丸投げしている
②質問者の意図が曖昧すぎて、相手が気を使って話を組み立てなければならない

例えば初対面に近い相手から、いきなり「最近どう？」と聞かれたらどうでしょう。

何を話せばいいのか分からず、「とりあえず無難に返さなきゃ」と相手に気を使わせてしまいます。
つまり、質問者が「気遣っているつもり」でも、実際に気遣いをさせられているのは相手側なのです。

会話の“間”を埋めるためだけの質問はバレる

「どう？」というフレーズは、質問をしているようで実は中身がありません。多くの場合、質問者は「とりあえず何か喋らないと」という目的で発してしまっています。

しかし、これが相手には「雑に扱われている」「適当に話を振られた」と映ることがあります。

結果として、距離が縮まるどころか、むしろ会話が浅くなり、気まずい空気を生み出すのです。

（本記事は『「良い質問」を40年磨き続けた対話のプロがたどり着いた「なぜ」と聞かない質問術』の一部を抜粋・調整・加筆した原稿です）