アウディQ6 e-tronアウディQ6 e-tron Photo by Hiroya Yamagami

新世代のBEV登場
人気のSUVシリーズに属するQ6 e-tron

 今日のように各ブランドがBEVをラインアップする数年前、2020年にどこよりも早くそれを市場導入したアウディが、新世代のBEVを登場させた。人気のSUVシリーズに属するQ6 e-tronである。

 新世代を特徴づけるポイントは、新たなプラットフォームの採用である。彼らはそれをポルシェと共同開発した。PPEと呼ばれるのがそれで、マカンElectricと共有する。PPEは“プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック”の頭文字。いわずもがなのBEV専用プラットフォームである。

 しかも今回は、リチウムイオンバッテリー自体が新設計で、12のモジュールと180のプリズムセルから構成される。少ないスペースで高出力を出すよう進化した。一充電当たりの航続距離が伸びたのはその成果で、2020年のe-tronはWLTCモード335kmだったものが、今回は672kmとおよそ2倍になっている。Q6 e-tronのバッテリー総電力量は83kWhで、Q6 e-tronクワトロは100kWh。最高出力と最大トルクはそれぞれ185kW/450Nmと285kW/580Nmを発揮する。

 このBEV専用プレミアムクラスのプラットフォームについてはかなり前に話を聞いたことがあるので、デビューはバッテリーの進化待ちだったのかもしれない。BEVに関してはまだ効率を求める項目が多いので、プラットフォームやバッテリー、モーターなど、どの部門が先行するかは不確実ともいえる。バッテリー製造時に発生する二酸化炭素の削減や充電時間の短縮、寒冷地での性能アップなど課題が多いだけに、ブレイクスルーも多そうだ。