アウディらしい造形は“さすが”のレベル
走りはコーナリングが楽しい。ブレーキも秀逸

 それはともかく、Q6 e-tronはご覧のように二枚目に仕上がった。フロントピラーを後方へずらしボンネットを長く見せるスタイリッシュなデザインでまとめている。いわゆるロングノーズのスポーツカー風だ。アウディが得意とする都会的なカッコよさを強調する。ルックスは最高。この後スポーツバックが追加されるから、そちらはさらにスタイリッシュに見えるだろう。

 グレードは3種類で、二駆のQ6 e-tronとお馴染み四駆のQ6 e-tronクワトロ、ハイパフォーマンス版のSQ6 e-tronといった構成となる。今回その中からステアリングを握ったのは前2つのモデル。駆動輪数の違いを体感することができた。

 走った印象をお伝えすると、二駆と四駆では明らかに違いがあった。どちらもBEVの特徴を活かした加速は一流だが、四駆のほうがハンドリングは正確に感じられた。4本のタイヤをうまい具合にトルク配分してコントロールしている感覚だ。なので、こちらのほうが操っている感が強く楽しい。それに自然とコーナリングスピードが上がりながら、挙動は安定したままをキープする。四駆だからといって変なクセはなく、頭の中で描くラインをキレイにトレースしてくれるのはさすがアウディだ。クワトロの名が光る。

 それでは二駆はどうなのかというと、じつは駆動輪がフロントではなくリアなので、コーナーでの気持ちよさはほぼ変わらない。コーナー出口でグッとアクセルを踏み込むと後足で路面を蹴る感覚を得られるのがいい。少しBEVの重さは感じられるが、走り方次第では楽しめそうだ。トルクステアが嫌な人はこちらに軍配が上げるだろう。

 総じてコーナリングがいいのは、ダンパーの進化も関係してる。FSDと呼ばれるものがそれで、従来型よりもロードホールディング性能を高めている。入力を従来比で30~60%削減するからすごい。必然的に乗り心地がよくなる。