ユニークなのは回生ブレーキのキャパシティの大きさで、どちらのモデルも日常的な走りではほぼブレーキシステムを使わない。もちろんパドルシフトで任意に回生ブレーキの強弱を選べるが、そうしなくともブレーキが必要な場面の約95%を回生ブレーキが行うというから驚かされる。ブレーキペダルを踏んでも回生ブレーキのほうが先に動くといったイメージだろう。というかアクセルを戻した瞬間から回生する。ブレーキキャリパーをローターに押し付けるのは、意図してブレーキペダルをグッと踏み込んだときのみだそうだ。なるほど、回生ブレーキはそのまま動力になるからこの技術は進化すればするほど効率がいい。バッテリーの充電頻度を少なくする要素のひとつに、この技術の進化系があるのかもしれない。
「アウディ=カッコいい」、という
ブランドイメージが高まるに違いない
忘れていたが、インテリアもこのクルマの美点となる。曲面デザインのMMIパノラマディスプレイが先進性を表現している。整理されたレイアウトと表示されるイラストやフォントが操作性の高さを感じさせる。ここもまたアウディの得意分野だ。
といったのが、アウディQ6 e-tronのファーストインプレッション。ルックス、乗り心地、ハンドリングなど総合的にかなり高いレベルで仕上がっているのを実感した。パワーの出方もガソリンエンジンのような細かいアクセル操作ができるのがうれしい。しばらく走らせているとBEVであることを忘れてしまうような操作感だ。最近アウディはニューモデルの投入が続いている。先ごろA6 e-tron、Q5、A5 TDIが正式デビュー、この後もQ6 スポーツバックe-tronが日本へやってくる。
昔のように「アウディ=カッコいい」、というブランドイメージが高まるに違いない。期待したい。
(CAR and DRIVER編集部 報告/九島辰也 写真/山上博也)









