「焦らせてくる相手は危ない」。この言葉を心に留めておきましょう。

ショートメッセージ(SMS)はなぜ危険なのか?

 スマホ詐欺には電話、メールなどさまざまなツールが使われます。なかでもショートメッセージ(SMS) は昔からある仕組みで、携帯電話の番号を使ってメッセージをやりとりできるサービスです。

「090」「080」「070」からはじまる携帯電話があれば誰とでもやりとりできる手軽さから、幅広く利用されてきました。今でも、携帯電話会社からのお知らせや病院の予約確認、一時的なパスワードの発行などで使われることがあります。

 ただし、企業や役所の正式な連絡手段としてはメールなどが主流なため、使われることは少なくなっています。SMSはとても手軽な反面、電話番号さえわかれば誰でも送れるという仕組みから悪用されやすくなっており、よく詐欺に使われるからです。

 犯人たちは“総当たり”という方法で、片っ端からSMSを送っています。「090-1111-0001」「090-1111-0002」「090-1111-0003」というように、電話番号の数字を少しずつ変えて大量のメッセージを送っているのです。

 メッセージにはワナが仕掛けられています。メッセージのリンクには、固有の識別情報が埋め込まれていて、クリックするとその情報が犯人に送信されます。つまり、『090―XXXX―XXXX』の人がクリックした」という事実が記録されるのです。すると、さらにたくさんの詐欺メッセージが送りつけられます。

 厄介なのは、こちらが反応してしまうと「この人はだまされやすい人だ」と見なされ、電話番号のリストが悪質な業者の間で出回ってしまうこと。そうなると、別の犯人からも次々にあやしいメッセージが届くようになります。

 SMSは便利ですが、このようにメールより危険性が高いものだと考えておいたほうが安心です。