寿命を伸ばすには「空腹でトレーニング」!?長生き遺伝子FOXO3を目覚めさせる日々の習慣とは写真はイメージです Photo:PIXTA

ゲノム研究の進展により、寿命を左右する遺伝子FOXO3の存在が明らかになった。しかもこの遺伝子は、生まれつきの体質ではなく、私たちの行動次第で活性化させることができるという。長寿のスイッチを入れる生活習慣とは?※本稿は、医師のピーター・アッティア著、ジャーナリストのビル・ギフォード著、小坂恵理訳『OUTLIVE(アウトリブ)人はどこまで生きられるのか:健康長寿の限界を超える科学的戦略』(NHK出版)の一部を抜粋・編集したものです。

アルツハイマーのリスクが
12倍に跳ね上がる遺伝子を発見

 寿命を延ばす効果のありそうないくつかの遺伝子が、さまざまな研究から明らかになっており、その一部は私たちの戦略に役に立つ可能性があることが判明している。

 これまで発見されたなかでもきわめて有望な遺伝子のひとつは、コレステロールの代謝、グルコース代謝――そしてアルツハイマー病のリスクに関わっている。

 この遺伝子については聞いたことがあるかもしれない。それはアポE遺伝子(編集部注/脂質の代謝や脳の神経細胞の修復・再生に関わるたんぱく質を作る遺伝子)で、アルツハイマー病のリスクへの影響が知られているため有名になっている。

 この遺伝子でコードされているアポE(アポリポたんぱくE)というたんぱく質は、コレステロールの供給と処理に関わっており、そのたんぱく質をコードする遺伝子にはe2、e3、e4の3種類のバリアント〔遺伝子のDNA配列における特定の変異、多様性〕が存在する。

 そのなかではe3が最も多く保有されるが、e4バリアントのコピーをひとつ、またはふたつ〔両親から1コピーずつ受け継ぐ〕保有していると、アルツハイマー病を発症するリスクが2倍から12倍も高くなると考えられる。