
ヘブンのアメリカン冗談は受けず
わりとあっさりと「正月」をラストピースにしてはどうかとなる。
でも、ラストピースがみつかって滞在記が書き終わったら、ヘブンはここにいる意味はなくなるだろう。トキも錦織も心配顔になる。
ヘブンは相変わらず「サムイ ジゴク」とぶつくさ言っていて、ここ(寒い松江あるいは日本)があまり好きじゃなさそうだ。
そして今日も主題歌が「落ち込まないでー 諦めないでー」と歌う。
第11週のサブタイトルは『ラストピース。』ではなく、『ガンバレ、オジョウサマ。』(演出:小島東洋)
主題歌が終わると、花田旅館。松野家の面々がやってきた。司之介(岡部たかし)も勘右衛門(小日向文世)もそれなりにちゃんとした着物を着ている。花田旅館がお正月に松野家を招いたのだ。
旅館の皆さんはすでに酔っていてご機嫌の様子だが、一番酔っているのがウメ(野内まる)だった。ウメの酔っている仕草(しぐさ)がかわいい。ウメは『ばけばけ』の癒やし。
そこへヘブンがトキとやって来た。
「ホンネンモオネガイシマス」と丁寧に挨拶。今日は無礼講で。ペリー関連の人を憎んでいる勘右衛門も「おめでとう」と穏やかに返す。
ヘブンは立派な羽織はかまだったが、足だけ靴で、ひと笑い。
この日はお正月祝いのみならず、快気祝いも兼ねており、平太(生瀬勝久)は乾杯の音頭をヘブンに頼む。
「コ゚シュジン アリガトウ」と言うヘブンに平太も満足そう。
でもそのあとがよろしくない。
「ショウガツ、タノシイ、スバラシイ。デモ、サムイ。ツギ、フユ、ワタシ、マツエ、イナイ。ヨロシク、オメデトウ」
そう言われて、みんなの顔が曇った。オメデトウはどこにかかっているのか。単語だけ覚えて羅列して。文法がわからないとこうなってしまう。
トキは「アメリカン冗談」だとその場を取り繕う。ヘブンも「マツエ ダイスキダケン ヨロシクオメデトウゴザイマス」と言い換えた。
だが「やっぱし仲ようできんのう」と平太は不機嫌な目つきになる。
トキも「やっぱり通りすがりなのか」と落ち込んでしまう。
トキがしょんぼりするのはまだしも。平太はそんなに機嫌を悪くすることか。偏見があると、ちょっとしたことで悪い印象が積み重なってしまうものなのだろう。
「ガンバレ、オジョウサマ。」はそのあとだ。







