「高飛車だけど憎めないお嬢様」演じる北香那、憧れの朝ドラ出演に“縁”を感じるワケ〈ばけばけ第51回〉『ばけばけ』第51回より 写真提供:NHK

今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラ(連続テレビ小説)に関する著書を2冊上梓し、レビューを続けて10年超えの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」連載です。本日は、第51回(2025年12月8日放送)の「ばけばけ」レビューです。(ライター 木俣 冬)

ラストピースが見つかれば

 まだ12月だけど、ドラマはお正月に。

「新年あけましておめでとうございます」

 いつも素敵な白いスーツか、寸足らずの浴衣だったヘブン(トミー・バストウ)が和服を着て登場。

 トキ(高石あかり、「高」の表記は、正確には「はしごだか」)と向き合って、新年のご挨拶を行う。

「ショウガツ オモシロイ」「ハジメテ オモシロイ」と喜びながら、「シカシ ヤッパリ サムイ」と弱音を吐くヘブン。

 そこへ錦織(吉沢亮)がやって来た。

 トキが「ヘブン先生が……」と心配顔をするので何事かと襖(ふすま)を開けると、ヘブンがかしこまって正座していた。

 サプライズ企画である。

 そしてヘブンは錦織に恭しく、新年のあいさつをした。

 では私もと錦織も。「おめでとうございます」。

 日本の素晴らしさを世界に伝える理想的な画面である。

 錦織は生真面目に「本年は世界を知る先生の広い知見を吸収いたしたく、より一層深いお付き合いができれば」と今年の抱負を述べ「その第一歩として、学校以外ではヘブンさんと呼んでもよろしいでしょうか」と許可をとる。ヘブンは愛想良くOKで。「ヘブンさん」「ニシコオリサン」「ヘブンさん」「ニシコオリサン」と繰り返す。仲良しか。

 ひとしきり盛り上がったところで、ヘブンの今年のテーマに話題が移る。

 今年はまず日本滞在記を完成させたい。そのために良いテーマをあと一つ見つけたい。

 トキにも、この頃そればかり「あと一つあと一つと」言っていた。

「ラストピース」は何か。ONE PIECEを探せ、みたいなことである。