『ばけばけ』第47回より 写真提供:NHK
今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラ(連続テレビ小説)に関する著書を2冊上梓し、レビューを続けて10年超えの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」連載です。本日は、第47回(2025年12月2日放送)の「ばけばけ」レビューです。(ライター 木俣 冬)
佐野史郎、これまで朝ドラ出演がなかったわけ
ひと足早くお正月かと思うようなリヨ(北香那)の琴の演奏。雅(みやび)である。
江藤家にお呼ばれして琴の演奏を聞いたヘブン(トミー・バストウ)は「すばらしい」と拍手して大喜びするが、一言「しじみさんみたい」と余計なことを言って、リヨを憮然(ぶぜん)とさせる。
江藤知事(佐野史郎)は、リヨがヘブンをまだ諦めていないと感じて困り顔。
「ヘブン先生はいずれいなくなるんだけんねえ」と言う江藤に、錦織(吉沢亮)の顔は曇り顔。
知事という偉い立場ながら剽軽(ひょうきん)な人物・江藤。設定は「島根をこよなく愛し、島根を日本が誇る一流の県へ押し上げようと情熱を燃やす」とあり、島根愛が強い人のようだ。島根愛、そして娘のことも愛して不幸になってほしくないと心配しているのだろう。そんな江藤を軽妙に演じている佐野史郎のコメントを紹介しよう。
――今回、初の朝ドラ出演になります。決まったときの感想を教えてください。
島根県・松江市出身で、これまでも『だんだん』や『ゲゲゲの女房』など島根を舞台にした朝ドラは何本かありましたが声がかからなかったので、「もう朝ドラには出ないんだろうな」と思っていました(笑)。でも、今回『ばけばけ』のお話をいただき、このためにこれまで出演することがなかったんだと思いましたね。
僕は小泉八雲のひ孫の小泉凡さんの監修のもと、奥様の祥子さんのプロデュースで小泉八雲の朗読を18年続けているのですが、昔から小泉八雲とセツのドラマをいつかやりたいという話をNHK松江局でもしていたので、今回『ばけばけ』の制作発表があった時は、みんなも喜んでいましたし、僕もお声がけいただけてうれしかったです。







