
外国ドラマかと思った
アメリカ、シンシナティでヘブンは新聞社の正社員になった。
「私は安アパートに下宿をしていました。マーサという下働きの女性がいました」
アパートの階下はパブのような場所で、ヘブンはひとり、正社員になった祝杯をあげようとしていると、マーサがプレッツェルを差し入れる。ささやかなお祝いをうれしく思ったヘブンは、一緒に乾杯してほしいと誘うが、店主にみつかってマーサは叱られてしまう。
これをきっかけにマーサとヘブンは親しくなっていく。
それはいいが、もうずーっとセリフは英語で、日本語訳が字幕である。洋画や外国のテレビを見ているようだ。いわゆる朝ドラの視聴者によくある、家事のついでに見るようなことはできない(英語が得意な人はできる)。画面(字幕)を見続けないと話がさっぱりわからない。昨今は、リアルタイムより配信で見る人も増えているからこその英語であろう。
仕事から帰ったヘブンはマーサと食事をする。お互いこれまでひとりで食べていたので味気なかったが、ふたりになって楽しくなった。
食事を用意してくれるマーサに「母親みたいだね」と言うヘブン。
「て言っても母親をほとんど知らないんだけど」
さりげなく天涯孤独感を出すヘブン。彼のモデルであるラフカディオ・ハーンは、幼少時、両親が離婚し、母親に去られている。アイルランドに行ったのは伯母がいたからで、でもその伯母も早く亡くなり、居場所をなくしてしまう。家族運に恵まれなかったことが彼の人生に影響を与えていると想像できる。
ただ、女性に「母親みたいだね」と言ってしまうのは令和の時代だとどうであろうか。マーサが母性をくすぐられたかのように「晩ごはんだよ坊や!」などとユーモラスに語りかけるのも令和の時代だと女性を都合良く描いているなんて指摘する視聴者もいるかもしれない。







