キーエンス元トップ営業が明かす、好感触なのに「買う気ゼロ」の客を一発で見抜く質問写真はイメージです Photo:PIXTA

もう一歩で決まりそうなのに、なぜか契約までたどり着かない――。そんな経験はないだろうか。キーエンス史上初の「3期連続・全社1位」を達成した筆者は、顧客を3つのタイプにパターン化して攻略する方法で成果を上げてきたという。相手の気持ちに寄り添いながら、自然に背中を押す営業術を紹介する。※本稿は、齋田真司『キーエンス 最強の働き方 新人からベテランまで、最短で成果を最大化するシンプルなルール』(PHP研究所)の一部を抜粋・編集したものです。

購入まであと一歩の
顧客の背中をどう押すか

 成功より失敗のほうが多いのが営業の仕事です。

 けんもほろろ、とりつく島もないといったタイプの相手ならまだあきらめも付くのですが、一番困るのはあなたの説明を熱心に聞き、商品を気に入ってくれているように見えるのに、なぜか買ってくれないというタイプのお客様。

 見込みがありそうなので足を運ぶ機会も増えるのですが、それらすべてが無駄足になる――。そんな厄介なお客様の攻略法をお伝えしたいと思います。

 なぜ買ってくれないのか。考えられる可能性は、いくつかあります。お客様の特徴別に攻め込み方を検討してみましょう。

ケース1 何を話しても
「いいですね」が返ってくる場合

 このケースでは、そのお客様が「優しいウソ」をついている可能性があります。

 本当はあなたの商品に興味がなく、契約するつもりもないのに、「わざわざ営業に来てくれているのに、本当のことを伝えるのも悪いな」といった気持ちから、気に入ったふりをしているパターンです。

 これを見抜くのはなかなか難しいのですが、ヒントになるのは、最も基本的な問いかけである「ネガティブな点を聞く質問」に対する答えです。