キーエンス元トップ営業が実践!働き過ぎずに圧倒的な結果を出すたった1つのルール写真はイメージです Photo:PIXTA

高市早苗首相の「ワークライフバランスを捨てる」発言は波紋を広げた。「稼ぐために働きまくるのは当然だ」と思われがちだが、キーエンス史上初の“3期連続・全社1位”を達成した筆者は、まったく異なる視点を提示する。では、キーエンスが掲げる“働き方の理念”とは何か。そして、その理念がどのように日々のスケジュールとして実践されているのか。筆者が語る“リアル”に迫る。※本稿は、齋田真司『キーエンス 最強の働き方 新人からベテランまで、最短で成果を最大化するシンプルなルール』(PHP研究所)の一部を抜粋・編集したものです。

先方からの宿題は
言われたその日に処理

 キーエンス時代の私は、朝7時半に出社してその日の営業で使う資料や機器の見本をピックアップし、すぐに最初の取引先へ移動していました。

 夜は19時前後に会社に戻るのですが、キーエンスは当時21時30分以降の残業が認められていなかったので、外回りの日に会社にいる時間は、朝と夜を合わせても3時間程度しかありません。

 ところが、客先を回っているといろんなことを求められます。

 商品の詳しいデータを送ってほしい、見積書や契約書を作成してほしい、技術面の疑問を解消したい、などなど。これらを持ち帰って会社で作業していては3時間じゃとても足りません。

 結果として外回りの日に処理しきれなかった仕事を内勤の日に持ち越してしまい、内勤の日に十分なアポ取りや準備ができない――という悪循環が生まれてしまいます。

 そこで私が自分に課していたのが、「宿題は持ち帰らない」というルールです。

 たとえば面談でお客様から「○○の条件で見積書を出してほしい」と言われたら、面談後すぐに自分の事務所にいる営業事務の方に連絡を入れます。