取引先と金額などの条件を伝え、見積書の作成とメール送信をお願いして、その場で対応を終えてしまいます。

 そもそも「詳しい資料を」と言われることがないよう、面談のテーブルに載る可能性がある商品については考えられる限りの資料や見本を持参しますし、もしそれでも解決しない問題があれば、面談の現場から本社の技術担当者に直接電話を入れて、その場で疑問を解消するようにしていました。

「その場で解決」を
心がければ一石三鳥

 このルールは、あなたの印象をアップすることにも大きく役立ちます。

 あなたに「見積書を出しておいて」と頼んだお客様は、おそらく「届くのは早くても今夜か明日だろうな」と思っているはず。そこに面談終了後数十分や数時間で書類が届いたら、「他の仕事よりもこの書類を優先してくれた。自分は大切にされている」と感じてくれるでしょう。

 会社に帰ってからではなくその場で素早く対応する。相手が想定する期待を上回る行動をすれば、あなたの好感度をぐっと高めることができるのです。

 面談で出現した課題や追加作業は、面談中または面談後すぐに解決して、会社には持ち帰らない。

 そう心がけるだけで、(1)お客様の好感度を高めることができる上、(2)会社にいる時間を減らす(=面談に使う時間を増やす)ことができます。

 さらに、(3)会社にいる時間は翌日の面談の準備に全集中できるので、営業の効率を最大化できるようになります。

 一粒で三度もおいしい「宿題は持ち帰らない」というルールは、営業以外の局面でも効果絶大です。

 家族や友人などからの頼みを、「あとで」「また今度」とつい先送りにしてしまうこと、ありませんか?

 頼まれたら宿題にせず、すぐ片付ける。

 そう心がけるだけで、あなたの株は急上昇。周りの人たちからの愛され度がぐんぐん上がりますので、ぜひ今日から実践していただきたいと思います。

多忙なキーエンス社員こそ
ライフワークバランスを重視する

 大学を出て働き始めたキーエンスも、日中は予定をぎゅうぎゅうに詰めても、終業後は会社の携帯電話やパソコン、資料などを自宅に持ち帰ることを原則禁止するという公私の峻別に厳しい会社でした。