危険物倉庫の開発も活発(写真はプロロジスパーク古河6)
大都市圏だけでなく地方にも大量供給が続き、新規デベロッパーの参入も相次ぐ物流不動産市場。特殊倉庫の供給や多用途化など社会課題や環境変化を踏まえた開発が進む一方、建築費の高騰などを背景に、開発縮小の流れも予測されており、市場の先行きは不透明だ。現在のトレンドを探り直近の代表的な事例を知ることで、物流不動産業界の潮流が見えてくる。(カーゴニュース編集部)
*本記事はカーゴニュースからの転載です
物流不動産トレンド(1)
首都圏の供給量は27年に鈍化
「見えない空室」も発生?
大量供給が続いていた物流不動産市場も、ややピークアウトしつつある。CBRE調査によると首都圏におけるマルチテナント型施設の供給量は2023年には90万坪を超えて過去最大となり、25年度は約46.5万坪、26年度にも52.5万坪の開発が見込まれている。
大量供給による競争激化で一部エリアでは賃料の上昇に頭打ちも見られる。しかし、今後は建設費の高騰などを理由とした開発計画の見直しにより開発ラッシュにブレーキがかかり、供給の鈍化と賃料の上昇を予測する分析もある。
同社が2月に発表したレポートでは、首都圏の物流施設は26年後半には新規供給量が減少傾向に入ると指摘。空室率の低下により「賃料が上向く」可能性を示した。
さらに、8月に発表した首都圏の物流施設需要では、27年における首都圏のマルチテナント型施設の新規供給量は約15.2万坪と15年ぶりの低水準を記録すると予測。一方、需要は引き続き底堅いことから、同年には需要超過に転じるとしている。
しかし、需給バランスについては必ずしも楽観論だけではない。







