「玉川らしさ」を象徴する
演出家の宮本亞門

 東京都の南西部・町田市にある私立の玉川学園。幼稚園から大学院まで展開する一貫校だ。「全人教育」と「個性尊重」を教育理念として掲げる。のびのびとした校風を背景に、多くの文化人や芸能人を輩出してきた。

歌手でタレントのDAIGO歌手でタレントのDAIGO Photo:Jun Sato/gettyimages

「玉川らしさ」を象徴する卒業生として真っ先に挙げられるのは、演出家の宮本亞門だろう。ミュージカル、ストレートプレー、歌舞伎、オペラなどジャンルを問わず幅広く作品を手がけている。日本を代表する演出家だ。

 2004年に東洋人初の演出家としてニューヨークのオン・ブロードウエーで「太平洋序曲」を上演、最近ではフランス、米国などでも作品を演出、国際的な活躍をしている。

 東京・大田区の公立中学を経て玉川学園高等部に入学したものの、2年の春からひきこもり状態になった。3年の夏に玉川大学の学生が演じた舞台を見たことで、高等部の演劇部に入り、学園祭で主役と振り付けを担当した。これがきっかけとなり宮本はひたすら演出家の道を走った。

 玉川学園創立者の小原國芳は「学校劇」を推奨してきたが、宮本はその路線にぴったりとはまったのだ。累計の演出作品数は約130本に達する。

 藤田明二は、テレビドラマ演出家・映画監督だ。立松嗣章はフジテレビでドラマのプロデューサーなどを務め、現在は執行役員編成局長だ。有村昆は映画コメンテーターだ。

 貴島彩理は、テレビ朝日のドラマ・プロデューサーだ。18年放送の『おっさんずラブ』で数々の賞を受賞した。

 金城哲夫は昭和時代に活躍した脚本家だ。1960年代に設立された円谷プロダクションに参画し、『ウルトラマン』シリーズの成功で、怪獣ブームを巻き起こした。

 円谷皐(のぼる)は特撮監督・円谷英二の次男で、円谷プロダクション3代目社長を務めた。演出家・歌手でもあった。