令和とは大違い!「明治時代の人間関係」が濃密すぎて、現代人には違和感だらけ〈ばけばけ第56回〉『ばけばけ』第56回より 写真提供:NHK

今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラ(連続テレビ小説)に関する著書を2冊上梓し、レビューを続けて10年超えの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」連載です。本日は、第56回(2025年12月15日放送)の「ばけばけ」レビューです。(ライター 木俣 冬)

「錦織、私のこと、嫌い」

 ヘブン(トミー・バストウ)の部屋をカメラが向かって左から右に移動。ヘブンの寝姿が映る。

「ヘヴン先生は金縛りに遭っています」
「呪われてるのかしら?」

 と蛇(渡辺江里子)と蛙(木村美穂)のおしゃべり。

 ヘブンは母に会いたくて金縛りにあいたかったのだが母らしき人は出てこない。もう1週間以上。別の人に苦しめられていた。最初は錦織(吉沢亮)。いまは侍……。外国人に恨みをもった侍の霊が?

 ヘブンにトキ(高石あかり。「高」の表記は、正確には「はしごだか」)はお祓(はら)いを勧める。

 お祓いの意味を伝えようと、ひとしきりジェスチャーゲーム。

 トキはお祓いのジェスチャーをし、ヘブンがボケる。お祓いを「お払い」、お金を払うものと想像するヘブンはなかなか勘がいい。お祓いにもお布施がつきものであろうから。

 トキは錦織が迎えに来なくなったことを心配する。

「錦織さん、私のこと、嫌い」

 ヘブンはそう感じていた。いやいや、あなたから距離をとったからですよ、錦織はヘブンがむしろ大好きなことは、第11週の様子でダダ漏れです、とヘブンに教えてあげたい。

 今日のアバンは3分弱。明けると、錦織がいる。彼はトキの家の前の共同炊事場にいて、トキを待っていた。

 炊事場には勘右衛門(小日向文世)とタツ(朝加真由美)もいて、錦織は勘右衛門たちにリヨ(北香那)とヘブンがうまくいかなかった件を話している。小さい街だからなんでもすぐに広まってしまうと思うが、あまり顔見知りでもないふたりに話す錦織もどうかと思う。

「ええ人はなかなかみつからんもん」とタツ。その言葉が気になる勘右衛門。自分がええ人になれるか気にしているのだろう。

 そこにトキが出て来る。