話題の書籍『奇跡が起きる毎朝1分日記』の著者・三宅裕之氏は言います。
「人は歳を重ねても、自分の心と体を整える“朝の1分”があれば、人生の最後まで“自立して生きる力”を保てる」と。
実際、著者が主宰する無料の「1分朝活」にも、70代で現役経営者として活躍されている方がいます。『介護されない未来を自分の手でつくる』の著者、上野理恵子さんです。彼女は福岡県久留米市で20年以上にわたり、特別養護老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅など、13の事業所を運営されています。実践者としての知見と、何よりその若々しさが説得力に満ちています。
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「長い息」が「長生き」をつくる
上野さんが教えてくれた“介護されない生き方”の第一歩は、腹式呼吸です。
とくに「長く吐く」ことが重要で、息を整えることはそのまま「生を整える」ことにつながります。2つ目は瞑想。心を静かに観察する習慣は、ストレスを減らし、脳の老化を防ぎます。3つ目はストレッチ。ヨガなど軽い運動を取り入れて、血流をよくし、体の可動域を保つこと。
「朝日」「和食」「感謝」が老化を遠ざける
4つ目は朝日を浴びること。できれば東に向かい、太陽に「今日も生かされていること」への感謝を伝える。これが体内時計を整え、幸福ホルモン・セロトニンの分泌を促します。 5つ目は和食中心の食生活。いただきます、ごちそうさまを丁寧に唱え、時には誰かと一緒に食卓を囲む。孤食を減らし、人と笑い合うだけでも脳は活性化します。
「ない」より「ある」に目を向ける
高齢期に多くの人が抱えるのは「健康」と「お金」への不安です。上野さんは言います。 「どんな状況でも、工夫することが大切。ないことを嘆くより、あることに感謝を向けましょう」と。久留米の施設では、国民年金6万円だけで暮らす方も多いそうです。それでも日本には、1~3割の自己負担で介護を受けられる介護保険制度があります。世界的にも稀な“全員参加型の安心システム”です。
朝1分の習慣が、未来を変える
こうした話を聞くと、「介護されない未来」とは、特別な健康法でも高価なサプリでもなく、日々の小さな習慣の積み重ねなのだと気づかされます。上野理恵子さんのように、70代でも現役で生き生きと働く経営者は、毎朝を丁寧に始めています。呼吸を整え、体をゆるめ、朝日に感謝する。そのわずかな時間が、心と体を支える大きな土台になっているのだと思います。
年齢を重ねても、自分の力で立ち、笑顔で人と関われる。そんな未来は、誰にでもつくれる。その始まりは、ほんの“朝1分”の心がけから始まります。








