衆院予算委員会で答弁に臨む高市早苗首相=12月19日 Photo:SANKEI
10年国債金利1.9%台、18年半ぶり高水準
積極財政で円安が進むモデルとの“齟齬”
高市早苗氏が自民党総裁選に勝利した前後から、金融市場は「高市トレード」で株価が高騰するなど、積極財政・金融緩和路線への期待から活況となったが、このところは、株価も調整局面に入り、債券安、円安の「トリプル安」の状況が目立っている。
とりわけ長期金利の指標となる新発10年国債の利回り上昇(債券価格下落)は目立っており、12月8日には、一時、1.970%と2007年7月以来約18年半ぶりの高水準となった。
高市首相が、手本とするアベノミクスでも、基本的な理論としてその前提にしていた「マンデル=フレミングモデル」では、本来なら財政拡大は、金利上昇で円高をもたらす。
だが現実は、円ドルレートは、11月20日に、約10カ月ぶりの1ドル157円台の円安になるなど、政権発足前日の10月20日からの1カ月間で7円円安が進み、今も円安基調だ。
このモデルは現実にあわず、「サナエノミクス」は間違った理論をもとにしているのだろうか。
少なくとも、いまの日本経済をこのモデルが的確に説明しているとはいいがたい。このモデルを依拠しているだけでは、日本経済を正しく活性化することにはならないだろう。
実際、サナエノミクスは、日本経済の現状認識について重要な視点が“欠落”している。







