キャビンクルーは
徹底した実力主義

 しかし今回のフライトで何より驚いたのが、CCの国際色が豊かなことだ。ブラジル出身のラヤンさんや日本人のハルカさんが、諸々の既定のサービスはもちろん、搭乗記念でポラロイド撮影サービスを提案してくれるなどパーソナルな交流が思いのほか多かった。ラヤンさんは、日本ステイ中に成田山に行った話をフレンドリーにしてくれて、おしゃべりに花が咲いた楽しい時間となった。

 キャビン・スーパーバイザーと呼ばれる機内責任者を務めていたのは、タイ人のパーサー、ポールさん。エミレーツでは世界中から優秀な人材を集め、人種や国籍に関わらず、能力と経験に基づいて重要なポジションを与えるという。

 乗客ひとりひとりに、CCが自ら国籍と名前を伝えて挨拶していた理由が分かった。多様なバックグラウンドを持つプロフェッショナルたちが一体となってフライトの品質を管理しているからこそ、乗客の国籍や嗜好に合わせたサービスを徹底できるのだな、と納得した。

「空飛ぶ宮殿」エミレーツ航空のCAが乗客に「国籍と名前」を伝えるワケ【ビジネスクラス搭乗記】A380の2階後部にある上級クラス専用ラウンジとキャビンクルー Photo by Koji Kitajima
「空飛ぶ宮殿」エミレーツ航空のCAが乗客に「国籍と名前」を伝えるワケ【ビジネスクラス搭乗記】A380の階下を案内してくれた日本人キャビンクルーのハルカさん Photo by Koji Kitajima
「空飛ぶ宮殿」エミレーツ航空のCAが乗客に「国籍と名前」を伝えるワケ【ビジネスクラス搭乗記】機内ラウンジで接客する日本人キャビンクルーのナナさん Photo by Koji Kitajima
「空飛ぶ宮殿」エミレーツ航空のCAが乗客に「国籍と名前」を伝えるワケ【ビジネスクラス搭乗記】機内責任者を務めていたのは、タイ人のポールさん Photo by Koji Kitajima

 なお、サービスは飛行機を降りた後も続く。ドバイ空港到着後、優先で手荷物を受け取ると、専用車(車種はBMWだった)で滞在先のホテルまで送り届けてくれるのだ。至れり尽くせりである。