製薬写真はイメージです Photo:PIXTA

デジタル化や脱炭素の潮流が加速し、物価高の影響も続く。足元ではトランプ関税も、企業にとって大きな試練となりそうだ。本連載では、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析する。今回は中外製薬や武田薬品工業などの「製薬」業界4社について見ていこう。

武田薬品が前年同期比で減収
中間決算は減収減益

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の「製薬」業界4社。対象期間は2025年7~9月期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・中外製薬
 増収率:5.5%(当四半期の売上収益3332億円)

・武田薬品工業
 増収率:マイナス5.4%(当四半期の売上収益1兆1128億円)

・第一三共
 増収率:12.1%(当四半期の売上収益5008億円)

・アステラス製薬
 増収率:13.4%(当四半期の売上収益5243億円)

 今回取り上げた製薬業界の4社では、中外製薬、第一三共、アステラス製薬が前年同期比で増収、武田薬品工業は減収となった。

 4社で唯一、前年同期比減収だった武田薬品工業。26年3月期の中間決算は、売上収益2兆2195億円(前年同期比6.9%減)、営業利益2536億円(同27.7%減)、純利益1124億円(同40.0%減)で減収減益となった。

 同社が減収減益となった要因は何だったのか。

 次ページでは、各社の増収率の推移とともに詳しく見ていこう。