
上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析する人気連載「ダイヤモンド決算報」。今回は大成建設、鹿島、大林組、清水建設の「ゼネコン」大手4社を取り上げる。建設資材価格の高騰や人手不足など工事の採算に関わる課題も多い中、各社は危機にどう向き合っているのか。決算の数字から把握しよう。(ダイヤモンド・アナリティクスチーム 松野友美)
大成、大林組は増収増益だが
鹿島は減益、清水は減収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のゼネコン業界4社。対象期間は2024年10~12月期の四半期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・大成建設
増収率:40.9%(四半期の売上高5752億円)
・鹿島
増収率:2.3%(四半期の売上高7047億円)
・大林組
増収率:3.3%(四半期の売上高6406億円)
・清水建設
増収率:マイナス4.1%(四半期の売上高4905億円)
ゼネコン業界の大手4社では、大成建設、鹿島、大林組が前年同期比(4〜12月累計)で増収増益、清水建設が減収だが純利益は黒字回復となった。
大成建設は前年同期比で40%以上、鹿島は2.3%、大林組は3.3%の増収となった一方で、清水建設は4.1%の減収だった。差が付いた原因は何か。
次ページでは各社の増収率の推移を紹介するとともに、増収率が最も高かった大成建設と、増収率がマイナスとなったものの純利益の黒字転換を果たした清水建設の業績を詳しく解説する。