宿命か、偶然か。いずれにせよ、ドットコム・バブルの亡霊が25年たって戻ってきた。米ネットワーク機器大手シスコシステムズは、2000年3月のピーク時に世界で最も時価総額が大きい企業になったドットコム時代の覇者だ。同社の株価が今週、初めてその水準を回復した。これは、株価がいかに大きく現実から乖離(かいり)し得るかという教訓だ。強気派は、人工知能(AI)分野で1990年代型のバブルが再び膨らんでいることを否定するのに多くの時間を費やしている。しかし、幾つかの顕著な類似点と注目すべき相違点について検討する価値はある。株式の評価方法はたくさんあるが、そのほぼ全てにおいて、米国株はドットコム・バブル以降で最も割高に見える。予想PER(株価収益率)や株価キャッシュフロー倍率(PCFR)、債券と比較した株式の超過リターンを計算する「米連邦準備制度理事会(FRB)モデル」、そして景気循環調整後のPER(CAPEレシオ)はいずれも、株価が割高だと叫び声を上げている。
AI熱狂とドットコム・バブル、不気味な類似点
強気派はAIバブルを否定するが、2000年の状況とは顕著な類似点と相違点がある
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